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認知症の正しい理解について |
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☆認知症とは、記憶と判断の障害のために社会生活、個人の生活が大きく障害され、自立した日常生活、社会生活を営めなくなった状態のことを言います。つまり、もの忘れ(記憶障害)、判断力、社会生活の三つで認知症と診断する。
☆もの忘れと認知症はどう違うのか? 「もの忘れ」は、経験したことの一部を忘れたり、ヒントがあると思い出したりできる。知人のAさんと会って、すぐに名前がでてこないのがもの忘れで、認知症による「もの忘れ」は、日常生活に支障をきたすような「もの忘れ」であり、特に体験したことをスッポリ忘れ、ヒントがあっても思い出せない。知人なのに、Aさんそのものに会ったことがないというのが認知症となって現れる「記憶障害」です。これは誰にでも起こることではありません。
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☆認知症とアルツハイマー病とは違うのですか? 認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのが、アルツハイマー病ということであって、ほかには、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのためにおきる脳血管性認知症などです。 |
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☆高齢者に「認知症」は必ず起こるの? そうではありません。脳機能は高齢者においても維持されます。加齢とともに、もの忘れは進みますが、常識・理解力は進化する。"創造性の「源泉」は枯れない"に期待したい。 |
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☆認知症の原因は複雑である。 1.遺伝性(ゲノム、遺伝子)2.加齢性劣化(血管性因子、神経の劣化)3.環境因子(成長と発達分化、栄養、運動、頭部外傷、ストレス、社会因子)私たちは、3.の生活習慣について工夫してみる必要があります。 |
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☆アルツハイマー型認知症以外のいろいろな認知症では、もの忘れよりも、人柄が変わったり、言葉が喋りにくくなったり、行動の障害などが目立つものもある。アルツハイマー型認知症であっても、時期によって、ひとりひとりによって、様々な症状が見られます。 |
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☆認知症の早期発見も認知症の介護も、まずこの病気を理解することから始まります。治らない病気だからとあきらめたり抱え込んだりせずに、ご本人もご家族も健やかな日々を送れるよう、まわりの者がともに病気を理解していくことが大切です。 |
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認知症の予防について −生活上の工夫− |
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1.食事のときの心がけ まずは、朝・昼・晩ときちんとバランスよく食べて、身体の健康に気をつけることが大切です。こうした習慣に加えて、認知症予防に効果のある食生活を送ることが望まれます。
ポリフェノールのチカラ:手軽で副作用の少ないアルツハイマー病を予防する成分が、ポリフェノールです。ゴマのセサミン、大豆のイソフラボン、ワインのアントシアニンなど、これらはすべてポリフェノールなのです。ポリフェノールは植物が光合成を行なうときに作られるので、ほとんどの野菜や果実に含まれます。一方、肉や魚には含まれていません。 |
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2.散歩のススメ 動脈硬化とならないように、日頃から身体を動かしておけば、心臓や脳の血管の状態を良好に保つことにつながりますので、認知症の予防に効果があります。また、積極的に地域のイベントやボランティア活動に参加することでも、十分に身体を動かしていることになります。少し長めの「散歩」がオススメです。 |
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3.短時間の昼寝のススメ 30分以内の短時間の昼寝に認知症を防ぐ効果があるといわれています。 |
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4.就寝前に気をつけたいコト 就寝時には部屋を暗くし、明け方に少し明るくなると自然に目覚めることができるよう、カーテンの厚さなどを工夫してみてください。また、脳を休めて記憶の定着作業をはかどらせるために、静かな部屋で眠るようにしましょう。 |
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5.よく噛む 硬いものを噛むことは脳の機能維持、特に記憶機能に極めて重要です。歯があるうちはありがたみをあまり感じませんが、失って気づいたときは手遅れです。しっかり噛むことはリズミカルな運動でもあり、満足と平安をもたらす神経伝達物質セロトニンを増やします。
※認知症の予防については、「認知症予防」山口晴保著 協同医書出版社より抜粋しました。 |
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