◇モノの整理と、財産を把握したあと、少しこれからの人生を考えてみましょう…。
それは、女も旅たち、男も旅立つ「林住期」についてです。
平均寿命が80歳を超える今や、「人生100年時代」。50歳から75歳までの25年。その季節のためにこそ、それまでの50年があったと考えてみると 「林住期」は第3の人生であり、人生の黄金期・成熟期と意識してみてはどうでしょう。ここでいう、「林」というのは、必ずしも山野とは限りません。
どこに住もうが、俗世間の掟にしばられない「精神の自由」のことではないでしょうか。
なによりも、50歳からの25年間こそ人生のもっとも豊かな時期になりうるという可能性を想像することです。実際に社会から身をひく60歳を、人生の「臨終期」のように考えることはやめよう。
現代の「林住期」は、50歳から始まるのだ。そして私たちは75歳まではそのなかに生きる。気力と体力があれば、さらに「林住期」を10年延長してもよい。「林住期」を人生の黄金期と決意することから、新しい日々が始まるのだと私は今、強く思う。
(「林住期」五本寛之著 発行 幻冬舎より抜,い)